その日の夜は満月だった。
白い…白い大きな満月。
だからこそ伝わったのかもしれない。
私の想いが。
もう一度会いたいと願い続けていた人に。
届いたのかもしれない。
「お母さん…?」
私は信じられない面持ちでお母さんの傍に駆け寄った。
嘘じゃない…?
ずっとずっと会いたかった―…。
「久しぶり、美弦」
そうやって頭を撫でる仕草。
変わらない。
お母さんだ。
「どうして!?どうして私を置いてったの…?私…さびしかった…」
思わず流れでた涙はキラキラと輝いて床に落ちていった。
「美弦は相変わらず泣き虫なのね…」
お母さんはクスッと笑って私の涙を拭う。
かと思いきや。
ギュムッ。
「ひひゃい…」
痛いと言おうとしたのにほっぺたをぎゅっと抓られ間抜けな声がでた。
「あ―あ!!情けないっ!!お母さんはこんな直ぐに泣くような子に育てた覚えはありません」
嘆きながらもその手は私のほっぺたに…。
「ほああはん、はなひへ…?」
お母さん離して?の意志が伝わったかは定かではない。
「紘一さんったら美弦を甘やかすんだもん。こんな甘ったれになっちゃって…」
お母さんはほぅっとため息をついて私の頬から手を離した。
ジンジンとするほっぺたをなでる。
凪ちゃんといい、お母さんといい、私のほっぺたをなんだと思ってんだろう…?



