「おい!!俺はいつまでここにいればいいんだよ!!」
「へっ?匡人先輩…?」
匡人先輩はドアを乱暴に開け放ったかと思うと、真っ先に凪ちゃんの頭を鷲掴みした。
何で匡人先輩が…?
「忘れてた…」
凪ちゃんはうふふと匡人先輩に向かって微笑みかけた。
だけどそんなことで匡人先輩が誤魔化されるはずがない。
「おい、てめえ!!この俺の存在を忘れるなんていい度胸してんじゃねえか?」
「忘れてたもんはしょうがないじゃん。女同士の話し合いに男は不要なのよ。グダグダと小さい男ね」
開き直った凪ちゃんからヒューっと冷気が漂う。
寒っ!!
たまらず毛布を引き寄せる。
あの…ここは私の部屋だよね…?
「っと…忘れてた。はい、お見舞い」
思いだしたように匡人先輩は持っていた紙袋を渡してくれた。
「どうも…」
いや、だから何で匡人先輩がここに…?
紙袋を受け取りながらもなぜか素直に喜べない。
「そういえば…会長何しに来たんですか?用件までは聞いてませんでしたね」
「あ―…」
匡人先輩は躊躇いがちに私の顔を見た。
「また今度でいいや…。俺も何て言ったらいいかわかんねえし」
頭をかきながら先輩は今度は凪ちゃんに意味有り気な視線を送った。
「あ―…。美弦、私帰るわ」
そう言って凪ちゃんはテキパキと荷物をまとめ始めた。
「え?」
今、来たばかりなのに?
「送ってやる」
「匡人先輩まで!?」
ふたりとも慌しく帰っていくことに私も戸惑いが隠せなかった。
一体どうしたの!?
ふたりは目配せをしてから私の方を同時に見た。
「「お大事に」」
普段の様子からは考えられないくらいの息の合いように私はただ口を開けるしかなかった。



