「なっ…なっ…何言ってんの――っ!!」
顔が真っ赤になるのが自分でわかった。
「あっ、やっぱり上手いんだ…」
凪ちゃんは何故かひとりで納得していて、うんうんと頷いていた。
「知らないっ!!」
普通聞く!?
日本には親しき仲にも礼儀ありっていう言葉もあるんだよ!?
「ハイハイ。私が悪かったですよー。ところであんた大晦日、暇?」
まだなんかあるのかと思ってじぃっと凪ちゃんを疑い見る。
「暇ですけど…なにか文句ありますか…?」
「高屋先輩と出掛けないの?」
「ど―せ“忙しいからごめん”って言われましたよー」
だから余計寂しいんだよ…。
「じゃあ初詣一緒に行かない?弟達が連れてこいってうるさくて…」
「…行くっ!!」
今までの警戒を一気に解いて私は高らかに宣言した。
大原兄弟って可愛くて大好きなんだよねっ!!
美弦姉ちゃんって呼んでくれるし。
可愛くて可愛くて…。
すっかり凪ちゃんへの信用は回復した。



