「美弦はどうなんだよ…?」
片付けも大体終わり2人でテーブルを拭いていると愁が神妙な顔つきで私を覗き込んできた。
「何が…?あっ彼氏?」
「いたの?」
ジィッと見つめる愁に私の悪戯心が刺激される。
たまにはヤキモチやいて欲しいな…。
なーんてね。
「秘密っ!!」
人差し指を立てて唇にあてる。
これくらいの意地悪いいよねっ?
「マジで…?」
肩を落とした愁はテーブルを拭く手がおろそかにになってる。
予想外に効果があったみたい。
「冗談だよっ!!愁が初めての彼氏ですっ!!」
「知ってる」
愁は隙をついてグイッと私の腕を引っ張った。
「こんなに男慣れしてなくて“彼氏がいました”なんて言えないもんな?」
至近距離まで愁の意地悪な顔が迫っている。
バ…バレてる…。
赤い顔を見られたくなくて私は腕を目一杯伸ばした。
「ずるい…っ…」
分かっててこういうことするんだもん!!
「ハイハイ。片付け終わったしケーキ出そうよ」
私の頭をポンポンと叩いて、愁はケーキを出しに冷蔵庫に向かった。
リビングに残された私はひとり、確信していた。
振り回されてる。
うん、確実に。



