「みーつーるっ!!なに怒ってんの…?」
ガチャガチャと食器を洗っていると愁が先ほどのように背後から抱きついてきた。
「愁、お皿拭いて」
ふきんを渡し体をずらす。
「わかった…」
黙ってお皿を拭き始める愁の悲しそうな顔にズキンと心が痛んだ。
違う、愁は悪くない。
今更、昔の彼女に嫉妬するなんて…っ…!!
自分で自分が嫌になる。
恋人達が甘い時間を過ごすこんな日になに…してるんだろう…。
「愁って彼女いたの?」
ガチャンッと少々大きな音がたつ。
お皿は愁の手から離れ床に転がっていた。
涼しい顔して拾ってるけど明らかに動揺してる。
「彼女いたんだ…」
「あ―…これは…」
「別にいいよ。気にしてない…」
不満はないの、不安なだけ。
ちょっと残念なだけ…。
私は黙々と皿を洗い続けた。



