外は強風。大荒れの天気。
高屋家の後継ぎ問題。
実際は美弦が思っている以上にもっと複雑だ。
私は凍った指先にはあっと息を吹きかけた。
先ほどまであった温かさはもう、ない。
風が吹いて首に巻きつけてあったマフラーがほどけていく。
私はそれを戻しながら後ろにそびえ立つ高梨家の屋敷を仰ぎ見た。
権力の象徴のような屋敷はきっと大勢の犠牲の上に建っているのだ。
そう思うと何故か胸が痛む。
高屋夏輝と高屋愁。
光と闇。
絶対の血筋を持つ高屋夏輝と連れ子である高屋愁の扱いは天と地ほどの差があったらしい。
それが変わったのが4年前。
高屋社長が愁にも相続権を与えたことによってそれまでの状況は一変する。
高屋家の人間は手のひらを返すように愁に対して丁寧に振る舞った。
あの人の人間不信はそういうところからきているのだろう。



