「自分だって18で子供作ったくせに」
トドメの一言だった。
紘一さんはいきなりその場に倒れこんだ。
「美月ぃぃ―っ!!俺は…俺は―っ!!」
ああ!!とその他にも意味不明なことを言いながら紘一さんは悶える。
ふう…すっきりした。
ああ満足♪
「美弦、行こっか?」
これで文句はないわよね?
私はニンマリと微笑むと紘一さんをボケッと眺める美弦をリビングから連れ出した。
「ねぇ…あのままほっといて良かったのかな…?」
リビングの扉を後ろ髪を引かれる思いで振り返る美弦。
「大丈夫、大丈夫。孫の顔を見るまであの人は何があっても死なないから」
「孫っ…!!」
ヒラヒラと手を振りながら平然と答えると案の定、美弦は頬に手を当てて顔を隠すように俯いた。
かと思うと紘一さんに負けず劣らずの奇声を上げながら壁を叩き始めた。
「ち…違うの―っ!!」
何が違うのかハッキリスッパリ分かりやすく説明して欲しいんですけど。
この親子は許容範囲が越えると暴れだすのが普通なのかしら…。
そろそろ収拾がつかなくなってきたので私は美弦の首根っこを掴んで思い切りドスの効かせた声で言ってやった。
「ちょっと、暴れてないでキチンと説明しなさい。こっちはこの寒い中わざわざ美弦ごときのために来てやったんだからね!!」
美弦は圧倒されて、はい…と小さく頷いた。



