「ハイハイ。そんな姿、社員に見せたら愛想尽かされますよ~」
16歳の女子高生の脚にすがりつくなよ!!
「美弦…美弦がぁぁあっ!!」
「いつまでも泣いてるとぶっ飛ばしますよ?」
地球の彼方まで飛んで行け!!
金取るわよ、コンチクショウ。
その一言に怯んだのか紘一さんの涙がピタリと止まる。
「美弦っ!!行っちゃダメだからなっ!!」
まだ拗ねた様子の紘一さんは美弦を見つけるやいなや、そう告げた。
「何で!?」
美弦も不満げな声を洩らす。
「当たり前だろっ!?いくら愁でも2人っきりで部屋に居たら変な気起こすに決まってるっ!!」
私の脚に抱きつくのは変な気って言わないんですかね?
いい加減うざったくて紘一さんを脚から引き剥がす。
美弦は美弦で私達から目を逸らして真っ赤な顔で俯く。
これは高屋先輩となんかあったな…。
後で洗いざらい吐かせてやる。
「紘一さん…美弦だってもう15ですよ?自分のことは自分で責任とれますよ」
この天然記念物並みの純情っ子にやっと高屋先輩が手を出す気になったんだから。
「だーめっ!!美弦にはまだ早いっ!!」
紘一さんはダメの一点張りだ。
ちっ!!
めんどくせえなあ…。



