「良かった…!!早く何とかしてぇ…っ!!」
「いったいどうしたの…?」
美弦の家に着くといきなり美弦がドアから飛び出してきた。
「いいからっ!!とりあえずこっち来てっ!!」
ぐいぐいと腕を引っ張られ、長すぎる廊下をひたすら歩く。
「もうっ!!何なの!?」
たまの休みに呼び出された私の身にもなりなさいよー!!
「来ればわかる」
美弦はそれだけ言うと険しい顔をしたまま一心不乱に足を動かす。
それにしても。
いつ来てもでかい家だな…。
敷地だけでもうちの何十倍もある。
高梨家の財力の大きさがよくわかる。
私もこういう家に住んでる人をゲットせねば…。
改めてそう決意すると目の前には既にリビングの扉が迫っていた。
「凪ちゃんっ!!何見ても驚かないで?」
美弦の目は怖いくらいに真剣だった。
そんな雰囲気に私もゴクンと息を飲む。
「わかった…」
そんなに驚くものがこの先に…?
好奇心を抑えつつ私はリビングの扉を開いた―…。



