「美月は俺の将来を考えて姿を消したんだ…｡もっとも後でわかったんだけどな…｡
美弦には辛い思いをさせて本当に悪かったと思ってる｡ごめんな…？」
私はフルフルと首を横に振った。
「言い訳みたいだけど､美弦のことも最近知ったんだ。気づいた時にはすべて遅かった…っ…」
紘一さんの目には悲しみだけが映っていた。
「紘一さん…」
私は紘一さんの言葉に胸が詰まって何も言えなくなった。
わかってしまったから…。
紘一さんがどれだけお母さんを愛していたか…。
わかってしまった―…。
ねぇお母さん…？
幸せだった…？
紘一さんに愛されて幸せでしたか…？
「…っく…ひっく…っく…」
「泣かないで…？」
耐え切れずに泣き出してしまった私に紘一さんが手を差し伸べてくれた。
