「クリスマスどうする…?どっか行く?」
俺は美弦と手を繋ぎながら尋ねた。
季節は冬。
期末さえ終わればもう冬休み。
クリスマスなんてくだらないって思っていたけど一日中美弦と過ごせるなら大歓迎だ。
「そうだな―…。人が一杯いるとこだと酔っちゃうし…」
うーんと唸る美弦。
かと思うと今度は目をきらきらと輝かせ俺を見つめる。
「愁の家じゃだめ?」
は…?
俺はポカーンと口を開けた。
美弦…意味わかって言ってんのか…?
「美弦…それ以外の所に行こう…」
ぜったいわかってないな!!天然なのか!?
「だめ…?」
美弦は捨てられた子犬のような弱弱しい眼をして俺を見上げた。
ああもうっ!!
俺の葛藤を知らないのか美弦は繋いでた手をぎゅうっと握り締める。
こんな可愛い反応されたら俺の良心も痛む。
「ダメじゃないけど…。ちゃんと覚悟してから来いよ…?」
美弦の頭の上に疑問符が見えた。
「何の覚悟…?」
あっだめだ。
やっぱりわかってないな…。



