「お前も報われないな。美弦ちゃん相変わらず無防備過ぎて手出せないんだろ?」
当たりだ、畜生。
匡人にまで無防備って言われるなんて美弦の警戒心はどうなってるんだ?
「抱きたければ抱けばいいだろ?」
「…そういう問題じゃない」
俺は美弦を大事にするって決めた。
だから自分の欲求を押し付けたくない。
少なくとも美弦の心の準備が出来るまでは我慢だ。
「…面倒くさい奴だな」
「美弦を今までの女と一緒にするな」
「ハイハイ。お前、紘一さんに似てきたんじゃないか?」
それはちょっと嫌だな…。
俺は美弦の父親じゃなくて恋人でありたい。
だからこそ…美弦が欲しい。
日に日にその気持ちは強まるばかりだ。
まんまとはまってるな…俺。
俺は自嘲気味に笑うといそいそと美弦にメールの返信を送った―…。



