「で。お前は体調が悪いにも関わらずこの寒空の下、2時間も美弦ちゃんと楽しく喋ってたわけか?」
「…うっせーよ」
ちくしょー…。
言い返せねえ…。
「お前がここまで馬鹿だったとはな…」
匡人は机の上に腕を枕に寝ている俺を尻目に着々と身支度を整えていく。
そうしているうちに匡人の携帯から軽快な音が鳴る。
「ごめんね、直ぐに行くから」
ひとことそう告げると俺のほうを向いてニヤリと笑う。
そーだよな!!
お前は風邪で弱ってる俺なんか見捨てて女と約束でもしてるんだよな!!
沸騰するくらい頭が熱を持ってる。
くそ…体がだるい…。
匡人に負けた気がするのは気のせい…か…?
そう思っているとふと何かが俺の視界を遮った。
「それで…そろそろ言ってみたらどうだ?」
思考力ゼロの頭に匡人の声が響く。
「んだよ…」
気づいてるなら放って置けよ。
視界を遮るように置かれたカバンからは匡人がメールを打つ目線だけが見えた。
気まずくなって肘を机について手で口元を隠す。



