「あっそうだ!!」
忘れてたっ!!
まだにらみ合ってる2人を残し一旦部屋に行く。
「はいっ紘一さん。お誕生日おめでとう」
戻ってきた私の手にはあのネクタイが入った箱がしっかりと握られていた。
紘一さんは一瞬だけ目を見張った。
「美弦…ありがと…」
感動してる紘一さんに私は満足だった。
喜んでもらえたみたい…。
思わず笑みが零れる。
「やっぱり美弦はまだ愁に渡せないなっ」
紘一さんはネクタイの箱を開けながら楽しそうに呟く。
「何でそうなるですか!?」
愁は慌てて紘一さんに詰め寄った。
「美弦がお嫁に行ったら俺が死んじゃうだろっ!!」
収まったと思ったのになあ…。
仕方なく再び始まった2人の子供っぽい言い争いを止めに入る。



