「彼女とは今はただの友達だし。だいいちっ!!俺には美弦がいるわけだから、他に女なんていらないんだよねー」
私は思わず口を開けて紘一さんを見た。
えっと…どういうこと…?
「つまり…結婚の話…とかは…?」
「嘘に決まってるだろ~。結婚なんてするわけないじゃん!!少なくとも美弦に変な虫がつかないように見張ってる限りは…」
紘一さんはそう言って再び愁を睨みだした。
「紘一さん…。変な虫って俺ですか…?」
「わかってんじゃん」
男同士の静かな応酬をよそにガクーッと一気に肩の力が抜けた。
つまり、
紘一さんは結婚する予定なんて更々なくて、私はホントにマスコミに振り回されてたわけね…。
つ…疲れた…。
私の涙、利子つきで返して欲しい…。



