「俺はさっきから美弦をベッドに連れ込みたくてしょうがないって意味」
耳元で囁かれた言葉を解読するのに30秒ほど必要とした。
「しゅっ愁――!!」
意味に気づいた私はさっきより真っ赤になった。
「ハイハイ。ほらっ!!さっさと紘一さんとこに出かけるぞ。それとも襲われたい?」
ソファーから立ち上がった愁は私を促す。
なんでそんなに平気そうな顔してるのー!!
「もうっ!!」
からかわれたんだっ!!ひどい~!!
私は内心怒りながらも愁と出かけるために立ち上がった。
愁は私の後方にまわり、上着を着せてくれた。
「美弦、俺本気だから。いつか美弦を俺だけのものにする」
いつになく真剣な声でそう言うと愁は私の手をとり玄関に向かった。
「~~っ!!」
本日何度目かわからない大胆発言に私はただ顔を赤らめるしかない。
こんなことで“いつか”がやってくるのでしょうか…?



