「雑誌がでてからまともに会話もしてないんだろ?」
愁は優しい目をしながら語りかける。
「俺は美弦と紘一さんは一度話し合った方がいいと思う。美弦だって本当かどうかわからない報道に振り回されるより、直接事実を聞きたいだろ?」
私はブラウスの胸元をぎゅっと握り締めた。
確かに愁の言うとおりかもしれない…。
でも…っ…!!
私は大きく首を横に振った。
「私には紘一さんしかいないんだよっ?もしっ…もし…いらないって言われたら…」
指先が小さく震える。
嫌だ嫌だ嫌だ。
ひとりは嫌…っ…。
もうひとりは嫌なの…!!
愁はそっと私の肩を抱いた。
そして自分の手を震える私の手に包み込むように重ねる。
「その時は…俺が美弦をもらう」
私は愁の顔を見上げた。



