「美弦っ!!」
私の思考はその声に遮られた。
「しゅ…う…?」
何で…?何でいるの…?
何でいつもこの人は私が泣きたい時に傍にいてくれるの?
「美弦…辛かったら言えって言っただろ?」
「ふ…ふぇ…」
私の目からは涙が溢れてきた。
我慢してたのに愁にはお見通しだった。
「しゅっ…う…怖いよ…!!」
私はフラフラと愁に近づいてその胸に飛び込んだ。
怖くて怖くてたまらない。
紘一さんのそばに居ちゃいけない。
離れなきゃいけない。
すべてが怖くて怖くてたまらない。
親戚中から煙たがられていた私を救ってくれたのは紘一さんだ。
その紘一さんにまで“いらない”って言われたら生きていけない…っ…。
怖いよ…!!
「美弦大丈夫…」
私の恐怖を打ち消すかのように愁の腕に力がこもった。



