紘一さんの忙しさは半端ない。


今日みたいに朝食を一緒にとるのも稀だ。


ただ暇があると顔を見に帰ってくる。


それが嬉しかったりするんだよね…。


でもその反面思ってしまう。


私は本当にここにいていいの?


お母さんと何があったの?


あの時は一方的に責めてしまったけど、もしかしてなにか理由があったのかもしれない…。


お母さんから父親が生きてるなんて聞いたことなかった。


今日は一週間ずっと疑問に思ってたことをぶつけるチャンスだった。





コンコンッ!!





ドアがノックされた。


「美弦~!!約束通り案内するよ!!」


ドアが開くとそこにはラフな格好に着替えた紘一さんがいた。


さっきまでスーツだったのに着替えたのかな…?


いつもより若々しく見える。


っというか34歳だからまだ若いんだよね?


ん…?


ちょっと待って…?


私…15歳だよね…?


「美弦~?どうかした?」


「何でもないですっ!!行きましょう!!」


私は適当に誤魔化して紘一さんの背中を押した。