「相楽ぁぁ…美弦が…!!美弦がぁぁー!!」
「はいはい。そろそろ会社に戻りましょうね~」
相楽さんは紘一さんのスーツを掴みグイグイと引っ張る。
「グスン…美弦ぅぅ!!」
手をバタバタと伸ばす紘一さん。
「ハイハイ。いい大人がいつまでも泣かないでくださいね」
ズルズルとひきずられていた紘一さんは去り際にキッと愁を睨んだ。
「愁っ!!今度話があるから覚えてろよっ!!」
「ハイ。わかりました」
私達は紘一さんと相楽さんを見送った。
「紘一さん…何で来たんだろう…」
台風のように慌ただしく去っていったな…。
「さあ…?」
「紘一さんに後で色々聞かれそうだね…」
「しかたないでしょ。こうなることは予想できたし」
前途多難…。
「紘一さん許してくれるかなあ…?」
「それは俺達次第じゃない?」
「絶対許してくれなさそう…」
「まあ…なんとかなるんじゃない?」
私達は顔を見合わせてクスクスと笑った。
「あっミスコン!!もう終わっちゃったかな…?」
誰が優勝したんだろ!?
「この時間なら結果発表まだだろ…。行く?」
「うんっ!!」
私達は中庭から校舎に歩き出した。



