「紘一さんっ!!おおげさだよっ!!」
その場に崩れ落ちていた紘一さんに更に追い討ちをかけてしまったようだ。
「美弦がぁぁー!!美弦が大人になってしまったぁ―――!!」
「いや…まだそこまでは…」
愁っ!!何言ってんの!!
悲鳴は更に勢いを増していった。
ああ…。
もう…どうしよう…。
紘一さんの親バカがここまで重症とは…。
「あれ~美弦さん?」
その辺の茂みからゴソゴソと現れたのは相楽さんだった。
「相楽さん!!」
相楽さんはスーツについたゴミを掃いながら私達のところまでやってきた。
よく見れば紘一さんのスーツにも枯葉や土がついている。
2人ともどっから来たんだろう…。
うん、もう何も聞かないことにしよう。
「紘一さん!!紘一さん何とかしてくださいっ!!」
私は小さくなって土いじりをしていた紘一さんを指差し、必死に頼み込んだ。
「ああ…これですか…」
相楽さんは紘一さんを見てため息をついた。



