「美弦が思っている以上に美弦が好きだよ―…」
こんなに堂々と宣言されたら言われたこちらが恥ずかしい。
「美弦?」
私の顔は見事なまでに真っ赤だった。
いや、だって…!!
こんなに真っ直ぐ好きだって言われたら照れるよ!!
愁の顔が見てられない。
「目、逸らすなよ…」
だって…っ…!!
「恥ずかしいんだもん…」
「……今更…?」
確かに今更だよ…。
付き合って1ヶ月以上経つのに未だに愁の顔見て真っ赤になるとか有り得ないよね。
「美弦、俺はちゃんと言ったんだけど?」
「疑ってごめんなさい…」
蚊の鳴くような声で謝ると愁が私の額に自分の額をくっつけてきた。
「美弦の口からも聞きたい」
えと…これは…私も言わなきゃいけないんだよね…?
「好き…です…」
「よく言えました」
その後の言葉は愁の唇で塞がれる。
愁の首に腕を回して口づけに応える。
キスはふわふわして何だかいつも気持ち良くなっちゃう。
もしかしたら一番幸せな時かもしれない。
「…ん…」
自分のものとは思えない甘い声が洩れる。
「…可愛い…」
そう言うと愁はまた唇を塞いだ。
キスの合間の愁の声がたまらなく好き。
もっと欲しい。
私は愁のシャツをギュッと掴んだ。



