起こしたらまずいよね…?
スースーと寝息をたてる愁を起こすのは気が引ける。
気持ちよさそう…。
愁の寝顔を見つめる。
起きるまで待ってよー。
そう決意し、そっと隣に座る。
愁は私の存在に全く気がつかずに首を傾けて寝ていた。
早く起きないかな…。
早くあの低い声で美弦って呼んで欲しい…。
「う…ん……み…つる…?」
愁が起きたのは私が来てから2時間くらい経ったころだった。
「起きたの?」
「何でここにいんの…?」
まだ寝ぼけているらしく愁は目を擦っていた。
「匡人先輩に愁がここにいるってきいて…」
「って、ミスコンは!?」
「さぼっちゃった」
「よかった…」
愁は私の肩に頭をのせ安堵したように肩の力を抜いた。
「そんなに嫌だったの…?」
私の言葉に愁はさっと顔を上げた。



