「あんたさあ…調子のり過ぎなのよ!!高屋さんだけじゃなく東城さんにまで取り入って…ムカつくのよ!!」
「そうよ!!汚い手使って…うざいんだよ!!」
「大体、高屋さんと釣り合ってないってどうしてわかんないの!?」
口々に発せられる言葉は残酷だった。
「あんたなんて直ぐに捨てられるんだからっ…!!」
何も言わない私を嘲笑うかのように彼女たちはさも楽しそう告げる。
わかってるよ…。
そんなこと私が一番わかってるよ…っ…!!
惨めだった。
何も言い返せない自分が。
自信のない自分が。
それなのに一人前に愁が好きだって思ってる自分が。
「それくらいにしといてくれないかな?」
「と…東城さん…」
突然現れた匡人先輩に彼女達は取り乱して口元に手を当てる。
押さえたところで匡人先輩はすでにしっかりと記憶していただろうが。
「悪いけど美弦ちゃん借りてくよ」
そう言うと匡人先輩は私の手をとり、教室から強引に連れ出した。



