「しゅ…う…?」
こんなところで会うとは思わなかった。
愁は驚愕の表情から怒りの表情に変わる。
「その格好…なに?」
愁は腕を組んで私を見下ろしていた。
「ミスコンの…衣装…」
こんなもの大人っぽくて私には似合わない。
そんなのわかってるよ…。
「ホントにでる気?」
愁は半ば呆れていた。
「でるよっ!!」
「ホントは後悔してんじゃない?」
「…っ!!してないもんっ!!」
ホントはメチャクチャ後悔してる。
愁の傍にいたいのくせに…。
素直になれない自分が一番嫌いだ。
「…精々頑張れば?」
そう言って愁はスタスタと去っていった。
「…行っちゃった」
私は愁が消えていった廊下をずっと見つめていた。
そうしていれば愁が戻ってくるような気がして…。
何で素直になれないんだろう…?
あんなことを言いたいわけじゃなかった。
私の気持ちとは裏腹に愁が戻ってくることはなかった―…。



