「美弦~♪今日行くから待っててね!!」
朝からルンルン気分の紘一さんは楽しそうに鼻歌を歌っていた。
「紘一さん来なくていいよ…」
「ひどい…!!美弦もしかして反抗期!?」
「いってきまーす」
紘一さんをシカトして私は学校に向かった。
今日は文化祭の日。
愁とは仲直りしてない。
私が悪いってわかってる。
愁は私のことを心配してくれただけだ。
いつまでも意地を張ってるのは私の方なんだ。
でも…愁にもわかって欲しい…。
付き合い始めのころはまだよかった。
ただ一緒にいるだけで嬉しかった。
でも愁のことを知れば知るほど自分と距離を感じてしまう。
手が届かない人。
一緒にいるのがすごく幸運なんだって…改めて気づかされる。
愁にはこんな不安ないんだろうな…。



