私は隣を歩く愁の顔色を窺っていた。
「愁…怒ってる?」
愁は先ほどから執拗に沈黙を守っている。
休み時間の出来事から数時間が経っていた。
もう習慣になっているこの放課後の時間も今は重苦しい。
感情に身を任せてあんなことを言ってしまったものの、私はどうしても愁の反応が気になっていた。
「怒ってない」
やっと聞けた一言は私が想像していたものではなかった。
怒ってるじゃん…。
刺々しい声色は愁が怒っていることを否応がなしに感じさせた。
一緒に帰ってても気まずいよ…。
「怒ってるならちゃんと言ってよ…」
怒らせたのは自分のくせにそんな言葉が口をつく。
「だから怒ってないって」
「怒ってるよ!!」
「美弦のほうこそ怒ってただろ!!」
あーもー!!
何でこうなっちゃったの…?



