「お出かけよりこのお屋敷を案内して欲しいなぁ…」


ついついそんなことを言ってしまったのが最後だった。


紘一さんは即座に反応を示した。


「します!!させて下さい!!」


両手を合わせて懇願する紘一さんがちょっと可愛かった。


ホントに表情がよく変わるなあ…。


私はこの一週間を振り返った―…。







高梨カンパニーから帰った後、半ば強引に話を押し進められ気がついたら迎えだという黒い大きな車に乗せられていた。


手続きや引っ越しの業者さんとか親戚への挨拶なんかもぜーんぶ相楽さんがやってくれた。


「着きましたよ」


車から降りた私の目の前にはテレビでしか見たことない大きな家があった。


「でかっ!!」


高梨家のお屋敷は私の予想を遥かに超えた物だった。