冷たい…。


私は冷たいコンクリートの感触で目を覚ました。


ここどこ……?


目が霞む。


だるい体を無理矢理起こし辺りを窺う。


私…確か靴箱で凪ちゃんを…。


そう、待っていたはずだった。


でもここは学校ではない似ても似つかない。


体育館ほどの広さのそこは薄暗く埃っぽかった。


どこかの物置…?


軽く頭痛のする頭を必死で働かす。


私…どうして…ここに…?


全く記憶がなかった。


凪ちゃんと別れて、靴箱にいたんだよね…?





それから…。




それから―…。





誰かに…声をかけられた…?





“佐崎さん…”


どこかで聞いた声だった。


そう…あれは…。


「澤村さん…?」


そう呟いた瞬間、ガラッと閉まっていた大きな扉が開いた。