「でたぞ…」


澤村文音の個人情報が画面一杯に映し出された。


「あいつが普段やばいことに使う場所は?」


「主に5カ所だな…愁に送っとくか…」


データを添付して愁に送信しとく。


「しらみつぶしに当たるしかないわね…。一番近いのは…ここね」


大原が指差した先はここから1kmほどの倉庫だった。


「まさかひとりで行く気か…?」


今にも飛び出していきそうな大原に念のため確認してみる。


「そうですけど…。会長も行くんですか…?」


大原はガタガタと支度を始めた俺を心底驚いた表情で見つめる。


「澤村には色々世話になったしな。俺は借りを百倍にして返す性格だ。」


そう。


あの女…前々から目障りだった。


「最悪な性格ですね…」


お前もな。


大原の嫌みも適当に流し、俺達は生徒会室をでた。