「高屋先輩に聞いてるんでしょ!?」


確かに愁から澤村文音の情報を集めるように頼まれてはいたが…。


「美弦がいなくなったの!!靴箱にも教室にも廊下にも…」


「まさか…」


あいつの新しいターゲットは…美弦ちゃんか?


「さっきからそう言ってんでしょっ!!わかったらさっさと澤村の居場所教えなさいよっ!!」


大原は俺の胸倉を掴んで怒鳴りつけた。


いきなり口調が変わったぞ、こいつ。


「大原さん…もしかして…」


猫かぶってたのか…?


「っとにめんどくさいわねっ!!早くしてよっ!!」


こっちが素か…。


「わかった…。お前もその口閉じてろ」


そう指摘すると一瞬だけ怯む。


俺はさっき落としたばかりのパソコンの電源をまた入
れ、椅子に座った。


大原は後ろから画面をのぞき込んだ。


「愁に連絡は…?」


「最初にした」


「お前猫被ってたんだな…」


「それはお互い様じゃないですか?」


チッ…バレたか…。