らっく!!



あーめんどくせぇ…。


俺はひたすらパソコンのキーボードを叩いていた。


会計のバカが計算間違えやがって、結局俺が尻拭い。


大原にまで逃げられる始末。


「今から美弦さんと出かける予定なので、失礼します」


あの女、俺を差し置いて帰りやがった。


「……最悪だろ……」


誰もいない生徒会室で呟く。


俺のため息とカタカタとキーボードを叩く音だけが響く。


終わんねえし…。


明日大原にやらせるか…。


勝手に帰ったあいつに押しつけることを心に決め、俺はパソコンの電源を落とした。


それと同時にいささか乱暴にドアが開いた。


「大原さんどうしたの?そんなに息切らせて…」


ドアノブに手をかけて肩で息をする大原。


いつも冷静な大原にしては珍しく取り乱していた。


「やられた…」


「は…?」


「澤村文音にやられたっ!!」


「澤村…?」


あいつまた何かやったのか…。