「…っん…しゅ…」
この間と違ってついばむようなキスが何度も降ってきた。
「やばい…止まんない…」
そんな声が聞こえた。
ふわふわと体が浮きそうな気分だった。
さっきまで怖くて仕方なかったのに…。
私の元気の源はやっぱり愁なんだ―…。
キスが終わったとき、私は真っ赤だった。
お互いに顔を見合わせクスクスと笑う。
「帰ろっか?」
「うんっ!!」
中庭から校舎内に入るまで私達は手を繋いだ。
お互い何も言わなかったけど安心できた。
私、負けないよ…。
澤村さんには負けない。
嫌がらせなんてする人に絶対負けない。
愁とは離れない。
どんなに嫌がらせされたって愁が好き。
だから…
負けない…。
そう決意すると私は更に愁の手を強く握った―…。



