翌日―…。
あいかわらず私への嫌がらせはやむ気配がない。
今日の犠牲は国語の教科書とノートだった。
朝、学校に来たときに切り刻まれていた。
教科書の残骸をみた凪ちゃんは呆れていた。
「ワンパターンなんだよね…。もう少し捻ったことすればいいのに…」
凪ちゃん…怒るとこ間違ってるよ…。
とりあえず私はゴミと化した元教科書を片付けることにした。
「美弦っ!!」
廊下から私を呼ぶ声がする。
誰かなんて聞かなくてもわかる。
「美弦…私が行くからそこにいて…」
「うん…」
凪ちゃんは愁のところへ向かった。
「高屋先輩…ここじゃなんだし移動しましょ?」
愁は険しい顔をして凪ちゃんを睨んだ。
「なんだよ大原。俺は美弦に話があるんだよ」
こちらを見る愁の目はひどく切羽詰っていた。
「美弦は…話せる状態じゃないの…。わかったらさっさと移動しましょ?」
愁と視線が合わさる。
机の上の元教科書を見つけると愁の顔が歪んだ。
胸が切なくなる。
きっと…わかってしまったのだろう。
愁は大人しく凪ちゃんに連れて行かれた。
静寂の戻った教室で私は黙々と片づけを始めた―…。



