言えない…。
愁と付き合ってることすら言ってないのに言えるわけない。
私は首を横に振った。
「言えない…?」
今度は大きく縦に振った。
「美弦…パパ怒るぞ…」
紘一さんは本気で怒ってるけど私に本当のことが言えるはずがない。
「大丈夫…凪ちゃんもいるしすぐおさまるよ!!」
心配かけたくない一心でそう言う。
紘一さんはひとつ大きなため息をついた。
「美弦…いざって時は俺の名前だしていいから…。辛くなったらいつでも言うんだよ?」
「わかった」
おでこ同士をくっつけて私たちは約束をした。
でもね、紘一さん…。
やっぱり無理だよ。
紘一さんのこと大好きだから心配かけられないし甘えられない。
だからごめんね…。



