「もしかして匡人になんかされた…?」
何で私の周りの人たちはこんなに勘がいいのだろうか…?
「えっ!?なっなにもされてないよっ?」
私の顔を覗きこむ愁に対して目が泳ぐ私…。
「美弦は嘘つくの下手すぎ。俺に言えないようなこと?」
段々と愁の顔が険しくなる。
「ちっちが「じゃあなに!!」
必死に弁解しようとするけど、その前に愁の声に遮られてしまった。
両手首を掴まれ壁に押さえつけられる。
愁と壁の間に挟まれ私は体を震わせるしかなかった。
「美弦の嘘なんてすぐバレるんだからホントのこと言って?」
愁の目は真剣だった。
嘘なんてつけるはずがない。
仕方なくありのままを伝える。
「キス…されそうになった…。でもっ!!先輩は最初からする気なんてなかったって凪ちゃんも……っん…!?」
それ以上、言葉が出てこなかった。
……唇を塞がれていたから。



