「どうした?具合でも悪い?」


「ううん!!人に酔っただけだよ…愁は…?」


「始業式サボろうとしたんだけど今日雨だろ?外でれないから保健室で寝てた」


窓の外はザーザーと土砂降りの雨。


外で寝たら確実に風邪を引く…。


「熱、あるか?」


愁は私のおでこに手をあてた。


「大丈夫!!ちょっと寝れば平気だしっ!!」


私は慌てて愁の手から距離をとった。


だって恥ずかしいんだもん…。


あの映画以来、会うのは初めてだった。


愁と“恋人”なんてそんな自覚は無いに等しい。


それなのにさっきから愁は親しげに美弦って呼んでくるし…。


いや、嬉しいんですけどね?


今は恥ずかしさが勝る。


私は愁から隠れるようにベッドに潜りこんだ。