「そろそろ帰ろっか?遅くなると紘一さんも心配するし…」
随分話し込んでたみたいで外は真っ暗だった。
「はい…」
返事をしながらも私の心は暗かった。
もう少しだけ一緒にいたい―…。
学校だと先輩といられる時間は休み時間だけと限られてるし。
もっと知りたい―…。
もっとそばにいたい―…。
でもそれは私の我が儘だから口には出せなくて、結局会計を済ませ2人でカフェを出ることになった。
「くっ苦しい…」
行きと違って帰りの電車はもの凄く混んでいた。
運悪く帰宅ラッシュに巻き込まれてしまったようだ。
「うわっ!!美弦ちゃん大丈夫?」
隣に立つ先輩も人に押されてる。
「だっ大丈夫です……きゃっ!!」
腕を引っ張られたっと認識した途端、体が何かに包まれていた。



