「なあ…いい加減泣き止まねぇ?」
「グスッ…だってえ…」
私はハンカチを目にあて、溢れてくる涙を拭っていた。
映画館をでた私達は近くのカフェに入った。
……私が泣きやまなくて目立ったから。
今でも十分、目立ってるけど…。
あの映画が悪いっ!!
あんな純愛感動系だと思わなかったんだもんっ!!
まんまと制作者の意図にはまってしまった。
先輩は平然としてたけどねっ!!
涙も大分おさまったところで注文した紅茶とコーヒーがきた。
先輩はコーヒーを一口飲むとこう言った。
「美弦ちゃんって泣き虫だよね。もらい泣きするタイプでしょ?」
焦った私は紅茶を吹き出しそうになった。
うっ…。
あ…当たってる…。
先輩の前で散々泣いたし普通はばれるか…。
「ちっちゃい頃からよく泣いてました…」
「やっぱりね」
予想が当たった先輩は嬉しそうだった。
幼かったあの頃はホントによく泣いてたな…。



