「久留巳、分かったか?」

「あ、うん。ありがと」

「じゃ、次はこれな?」



そう言った大河は、ベッドに乗っけたカバンからテキストブックを出した。



ここは、奏の家のゲストルーム。



奏に「勉強するなら俺ん家な」って言われて、大河は「久留巳の家がいいー」って嫌がってたんだけど、結局奏の家って事になって行ったらなぜかゲストルームに通された。



「奏~・・・。疲れたからニニ見せて~」

「ん」

「何!ニニって!」



大河が過剰反応を示す。



「奏が誕生日に買ってくれた猫」

「はぁ!?」



そう言った大河はしばらく黙った後「ダメだ、まだ。これやれ」と言い出した。



「ニニ~・・・」

「ダメだ」

「大河ウザい!」



あたしはそう言って奏の腕の中に避難した。



奏は勝ち誇ったような顔をして、大河は悔しそうな顔をしてる。



「・・・勉強しないとダブるぞ」

「えっ!ヤダ!」



留年は避けたい・・・。



「じゃあ勉強やれ」

「じゃあニニ撫でてから~」

「・・・分かった、それは許す」



奏はさっきから何にも言わない・・・。



でも、それよりまずはニニだ、ニニ!