そのとき、ピンポ~ン ピンポ~ン ピンポ~ンという、あのインターホンの音。



「居留守だ居留守」



奏はそう言って続ける。



あたしも、今はそうして欲しかったので、なにも言わなかった。

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最後までしてから、奏は下だけ履いて、玄関のドアについているポストからさっき投函された物を出した。



それは、宅配の人が、留守のときに入れるアレ(何だっけ、不在メモ?)だった。



奏は不思議そうな顔をしながらも、そこに書いてある番号に、家の固定電話で電話した。(一人暮らしなのに固定電話がある事はさすがね)



プルルルル プルルルル プルルルル



しばらく電話がなってから、宅配の人が出た。



あたしは、下着と、奏の服を着て(あたしが着ると、ロンTみたい)奏の近くに行った。



そして、電話口で耳を済ます(本当はハンズフリーがあるんだろうけど、どこにあるのか分かんない)。



「もしもし」

<はい>

「あの、不在が入ってたんですけど」

<あ、わかりました。では、住所を教えてください>



それから、住所を言う奏。



<では、あと数十分で着きますので>

「わかりました」



それで、電話が切れた。



数十分!



あたしは、急いで自分の服に着替えた。