「久留巳ちゃん、つわりは大丈夫なの?」

「うん、だいぶよくなってきた。ご飯は食べられるよ」

「そう? ならいいんだ。何食べる?」

「自分でとる・・・じゃなくて」



久留巳、ここは回転寿司じゃないぞ・・・。



「ハマチとたまご・・・かな?」

「了解」

「久留巳ちゃん、お茶飲む?」

「あ、自分でつぐよ?」

「いいの。妊婦さんは」



久留巳の世話をやいてる取り巻き達は本当に楽しそう。



「籍はいつ入れるの?」

「俺の誕生日」

「そっかぁ」

「結婚式は?」

「俺、留学するつもりだから、その後」



色んな話しをした。



解散したのは夜の9時半。



「じゃあみんな・・・またね」

「うん・・・。またね。生まれたらメールちょうだいね! クラスの人にチェンメとしてまわすから。写メ付きでよろしく」

「あははっ。わかった。じゃあ本当にまたね!」



『さよなら』も『バイバイ』も言わない。



その言葉は次会うときの否定になるから。



だからみんな『またね』と言う。



次会うときの約束みたいなもん。



久留巳は、こうして俺らの学校を離れた。