「ちょっと早く来すぎたかな……」
翌日、私は目が早くに覚めちゃって、約束より30分も早く待ち合わせの駅に着いちゃった。
「りょうくん……まだ来てないよね?」
辺りを見回して見るけど……りょうくんはまだいない。
そりゃそうだよね。早すぎるし……。
「里奈ちゃん?」
突然、後ろから声がして
振り返ると……
「……あの、もしかしてりょうくん?」
「うん!そうだよ!」
そこにいたのは、いつもと違って、髪をワックスで跳ねさして、イメージと違う服を着てるりょうくんだった。
変装かな?りょうくんだってことは案外バレないかもしれないけど……
かっこよさは変わらないから、目立っちゃうだろうなぁ。
「随分早かったんだね。もしかして、楽しみで寝られなかったの?」
「……うん、そう。」
私がそう言うと、悪戯な笑顔を浮かべていたりょうくんの顔が赤くなった。
「……僕も。早く目が覚めちゃって。」
……えっ?
りょうくんも?
……りょうくんも今日を楽しみにしてくれてたって、思ってもいいのかな?


