アイドルまっしぐら!!

「さてと……」



光樹はそう言って、手を離した。



「チケットを出しておけよ。」




「あっ、うん……。」




……光樹ってこんなにカッコよかったっけ?




不覚にも、ドキッとしちゃった。






「あの、すみません……これで。」



光樹はそう言ってチケットの裏にあるりょうくんのサインを、裏口に立っている男の人に見せた。


……本当に入れるのかな?



「はいはい。山中くんから話は聞いてますよ。カッコいい男の子とかわいい女の子が来ますって。」




かわいい……?りょうくんが私のこと、かわいいって紹介してくれたの?




「楽屋はここを真っ直ぐ行った突き当たりにあるよ。」




「はい……おい、里奈!うっとり顔で佇んでないで早く。」




「あっ、うん。」




思わずボーッとしちゃった。