アイドルまっしぐら!!

「わぁ……お祭りみたいだね。」




コンサート会場の最寄りの駅で降りると、そこはもう人だらけで、里奈の言う通り祭みたいだ。




ただ、ダフ屋は10メートルおきぐらいに立っているし、



この寒い中、チケットを求めてたくさんの女の子が立っている。




里奈みたいな純粋な子にとってみれば、危ないところだ。




「里奈。行くぞ?」




「うん。」




俺は、里奈の手をとり、早足で歩きだした。




「すごいねぇ。コンサートってこんな感じなんだ。」



里奈は、俺が手を握っていることを気にする余裕などなく、雰囲気に飲まれてしまっている。




「光樹、何か浮いてるね?」



「分かってる。もう何回か来てるんだからさ。」



周りは女の子だらけ。



『Cute Boys』のコンサートだから、そんな当たり前のことを気にしてたら、行けるわけがない。