アイドルまっしぐら!!

「恋愛を絶対にしちゃいけないとは言えない。女の子を見て、かわいいって思うことは誰にだってあるし、気をつけたって人を好きにならないなんて不可能に近いよ。」



……大翔の言うことは分かる。



すごくよく分かるけど、今の僕には里奈が必要なんだ。




「今から僕が言うことは2つ。1つ目はアイドル『Cute Boys』のメンバーとして、2つ目は一人の男子『高村大翔』として。」




「……うん。」



僕はそう返事をして、大翔の次の言葉を待った。




「……今すぐ里奈ちゃんと別れて。アイドルとしての自分を守るためにも。」




……アイドルとしての助言。




僕が里奈と別れれば、しばらくはゴタゴタしても、アイドルを続けられるだろうし、




僕は、里奈に余計な心配や迷惑をかけないで済むかもしれない。




「で、1人の男子として。」




大翔はそう言うと、柔らかく微笑んだ。