「……で?話って何?」
撮影が終わって楽屋に戻ると、大翔は若干不機嫌そうな様子で
僕に問いかけてきた。
「……うん。」
僕は、椅子に座って一息ついた。
「……今から僕が話すことを、きっと大翔はよく思わないし、僕を怒りたくなると思う。でも、大翔が何を言っても、僕は意志を曲げるつもりはない。もし、アイドルをやめなきゃいけないって言われても、僕にはアイドルをやめる覚悟があるっていうことを胸において聞いてね。」
「……何だか怖いな。」
大翔は僕の気迫に若干押されぎみだ。
僕も、自分自身で分かるくらい、体に力が入っていたと思う。
「……里奈と付き合うことになった。」
僕の言葉で、部屋の空気は一瞬にして凍り、
嫌な沈黙が流れた。


