アイドルまっしぐら!!

「良介!どこに行ってたんだよ!?撮影、押しちゃってるんだぞ?」



里奈の学校から帰ると、大翔が血相変えて怒ってきた。



そりゃそっか。撮影中に抜け出した挙げ句、僕のせいで押しちゃってるんだから。



「ごめん。大翔、あのさ……後で話があるんだ。」



「話?うん、まぁいいけど……。」




……どうせ今日のことは遅かれ早かれ、大翔や『Cute Boys』メンバーの耳に入る。




あれだけ大きく叫んだら、インターネットやニュースでも取り上げられるかもしれない。




どうせ怒られるなら、今日のことを自分の口からはっきり言って、大翔たちに分かってもらいたい。




そう思った。




「良介くん!じゃあ、急いで用意して!」



「はい!」




……たとえ、このことで僕のアイドルとしての行く先がなくなっても、




もう後には退けない。




僕は里奈を精一杯守るんだ。