アイドルまっしぐら!!

「おっはよー!」




僕が明るく楽屋に入ると、


部屋には正反対の暗い雰囲気が流れていて、



龍が今にも泣きそうな表情をしてた。




大翔は怒ってるみたいだし、卓哉と圭悟も困ったような表情をしてた。




「……あれほど言ったよね?写真は撮られないでって。」




「……ごめん……なさい。」


大翔が龍を怒り、龍はひたすら謝っていた。




「……どうしたの?」




僕は、小さめの声で圭悟に尋ねる。




「あっ、良介……。あのね、実は……」


圭悟はそう言うけれど、なかなか次の言葉を言い出せないでいる。


「これだよ、これ。口で説明するより早いだろ。」




卓哉がそう言って僕に見せた紙には、




『超人気アイドルグループ『Cute Boys』の森田龍と売れっ子カリスマティーンモデルの早瀬綾乃、バレンタインお泊まりデートか!?』




の文字が並び、白黒の写真が印刷されていた。