アイドルまっしぐら!!

一時間目が終わった後の休憩時間。




滅多に人が来ない特別教室棟の三階に行き、りょうくんに電話をかけた。





「もしもし?」




「よかった!りょうくん、出てくれて。」




「里奈からの電話だもん。生放送のとき以外なら出る〜。」




……いや、仕事はしてほしいな。




これからは電話する時間、考えよ。




「どうしたの?」




「あのね、卓哉くんのファンだって言ってた私の友達に、私たちのこと言ってもいいかな?」




「……僕たちが付き合ってるって?」



「……うん。」





「……あのね、実は僕、光樹には話しておきたくて、昨日話したんだ。」




「えっ!?光樹に?」




「うん。光樹は僕にとって一番の親友だから、知っておいてほしくて。」




光樹……どんな気持ちだったかな?




「光樹……喜んでくれてたよ。」




「そっか……よかった。」




「だから、もしその友達が里奈にとって、僕にとっての光樹みたいな存在なら、僕は止めないよ。」




「……りょうくん。ありがとう。」




「……お互い様だよ?」




りょうくんはそう言って、笑い声をあげた。